最近、アスランが冷たい気がする。




・・・なんでだろう。






























              しい




























「アースーラン!」



あたしのアスランを呼ぶ声がヴェサリウス内に響く。




「なに?

「アスラン今暇?」

「あ・・・ごめん。今日はこれから用事があるんだ」

「・・・そうなの?じゃあまた今度にするね」

「うん。ごめんね」







アスランに用事があって呼んだのはいいものの。










あっさり断られた(ガーン)













これが初めてならいいよ!?



だけど・・・。






アスランに断られたのは今回で四回目です。















「イザークー!!ディアッカーー!!!」



あたしはしょうがなくイザークとディアッカに泣きつきに行った。



「またアスランに断られたのか?」

「・・・あれ?イザークは?」

「さあ?なんか用事があるってさっき出てったけど」

「ふーん・・・?」




あたしは不思議そうにイザークのいない彼のベッドを見つめた。






「そう言えば前もイザークいなかったよね」

「・・・そう言えば」

「イザークに用事があるなんて珍しいじゃん」



前もアスランの事で二人に話を聞いてもらおうと部屋に来たらイザークの姿がなかった。





「さっきもアスランに『今暇?』って聞いたらあっさり断られた」

「あいつも見かけによらず冷たいよなー」

「そーゆー問題じゃねーよ!!」


ディアッカが興味なさそうに呟いたのであたしは渇を入れてやった。





「あたしだってこれでも一応アスランの恋人なんだよ!?でもアスランあたしに対して冷たすぎるの!!」

に興味が無くなったんじゃない?」

「ひ、酷・・・!も、もしかしてアスランって浮気でもしてるのか!!?」

「かもな」

「いやーーーどうしよう!!」



あたしは横で楽しそうにエロ本(爆)を読んでるディアッカとは反対に、一人でパニクっていた。





「・・・イザーク遅い」

「用事なんだろ」

「イザークが用事とかなんなのよ。髪の毛のお手入れ?」

「知るか」




アスランは用事。
イザークも用事。


・・・・。




そこであたしはある一つの考えに辿り着いた。




「・・・分かったわ、ディアッカ」

「なにが」

「イザークは用事なんだよね?」

「本人がそう言ってた」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・分かったわ・・・!!」

「だからなにが」


あたしはごくっと唾を飲み込んだ。

















「アスランとイザークってデキてるんじゃないの・・・?」















大真面目な顔でディアッカにそう言った。



「・・・馬鹿」

「な、なにが馬鹿だって言うんだ!!」

の考えが馬鹿だって言うんだよ」

「キィー!!その言葉、ディアッカだけには言われたくなかったわよ!!」



あたしは真面目に答えてくれないディアッカのベッドを思いっきり蹴った。



「な、何すんだよ!」

「もー、真面目に答えてよディアッカの馬鹿!!」

「答えてるだろ!!」

「真面目に答えてないわよ!!あたしは真剣に考えてるのに・・・」


そう言ったあたしは涙目だった。

そりゃー、言った事は馬鹿げてるかもしんないけどさ。
それがあたしが真剣に考えた結果なんだから!!





「わ、悪かった・・・」

「・・・ふん、もういいよ」


あたしはそう言ってそっぽを向いた。

ディアッカは困った顔をしていた(やったね!)





「イザーク遅いよー・・・」

「・・だから、アスランと会ってんじゃねーの?お前の考えだと」

「・・・でも、二人って仲宜しくないよね」

「だから陰でなにやってんのかわかんねーよな」

「うぅ・・・あたしのライバルってもしかしてイザークなの・・?」






イザークがライバル。


だとしたら、あたしに勝ち目なんてあるのだろうか。





イザークは男とはいえ、女性顔負けの容姿をしている。






はっきり言って、あたしなんかより何倍も美人だ(自分で言ってて哀しい)








「ち、畜生!!イザークなんて後でぶっ殺してやる!!」

「やめろよ・・・それこそアスランの愛しい人を殺したりなんかしたら逆効果じゃねーの?」

「あぁもうアスラーン・・・」



微妙にディアッカの言ってる事は論点がずれてる気もしますが。




あたしはただ愛しい人の名前を呼ぶしか出来なかった。

畜生、イザークめ。



一生恨んでやるからな!!







「あのさぁ、ディアッカ」

「ん?」

「あたしちょっと考えたのよ」

「なにを?」

「二人とも男じゃんかー」

「それが?」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・や」

「や?」

「や・・・ヤる時って・・・ど、どっちが上なのかなぁ・・・?」

「・・・・・・・・・」


ディアッカがすっごい目であたしを見てる気がした。

し、仕方ないじゃない!!気になったんだから!!




「あ、あぁ!!そこ!引かないで!!」

「・・・なんかちょっと真面目にお前の話に付き合ってやってた俺が馬鹿みたいだよ」

「付き合ってやってたってほど聞いてくれてないじゃん!!」






ディアッカの口からは暫くため息しか出してなかったように思えた。





「だってさー、男同士だって愛し合ってたらそーゆー事するでしょ?」

「・・・まだその話か」

「でもさ、あのイザークが素直に下に行くとも思えないけどアスランを押し倒してる姿も想像出来ないし」

「・・・確かに言われてみればなー」

「だからあたし的には上に行くのはアスランかなって」

「あいつ根は腹黒そうだもんな」

「んなっ!人の恋人に何てこと言うんだこいつは!!」

「お前だって好き勝手言ってる癖に」

「あたしは恋人だからいいのよ」

「さっき泣いてたのはどこの誰だよ」



また、ディアッカの口から一つため息が漏れた。

畜生、そんなにあたしの話には付き合ってられねぇーってか!



「・・・だけどさ、見てみたくない?」

「なにを?」

「アスランとイザークがヤってる所」



ピシッと、空気が固まる音がした。

ディアッカはというと、さっきにも増してすごい形相であたしを見ていた。


なに、あたしは大道芸人かなんかか?




「なんか俺と同じ部屋にいるのが厭になってきた・・・」

「や、やだなぁディアッカったら!あたしといるのが嬉しくて堪らない癖にぃ〜!」



あたしは必死で部屋から逃げようとするディアッカを捕まえていた。



「じゃ、じゃあディアッカはどうなのよ!?イザークは受け?攻め?」

「・・・・・」




『まだその話続けんのかよ』という目で見下ろしてきたディアッカ。

ああ、あたしはなんだか哀しくなってきたよ・・。











「も、もういいわ!あたしが結論出すね!?イザークは受けなの!!」









そう叫んだ瞬間、絶妙なタイミングでドアの開く音が響いた。





「あ・・・・」

「あ・・・・・・」

「っ、貴様ら・・・・!!」



ドアが開いて目に入ってきたのは綺麗な銀髪だった。

・・・その顔は、すさまじく恐かった。



「あ、あらイザーク!お早いお帰りで・・・」

「・・・・・・の馬鹿」















「貴様ら一体何の話をしてたんだぁぁっ!!!!!?」














狭い部屋の中、イザークの怒鳴り声だけが響いた(泣)










その後あたしとディアッカは床に正座させられ、こってりとイザークに怒られ続けた。








「だ、大体イザークが悪いんじゃない!」

「なにがだ!!」

「だってアスランは用事でイザークも用事で・・・疑うのは当たり前じゃん!!」

「なにが『当たり前』だ!!普通は疑ったりなどしない!!」



駄目だ、今のイザークには何を言っても聞かない。


「イザークは何しに行ってたのよ!?」

「俺はただ談話室に本を探しに行ってただけだ!!」

「え、談話室でアスランと密会!!?」

「だからどこがどうなってそこに行き着く!?」



あたしもイザークもぜぇぜぇはぁはぁと息が切れていた。

・・・いや、それはあたしの所為なんですけどね。




「あ、じゃあアスランはイザークと浮気なんてしてなかったんだ。なぁんだー」

「誰があんな奴とするか!!」



よし、これでイザークとの浮気疑惑はめでたく晴れた。



・・・けど。

まだ、一つ疑問が残っていた。




「・・・じゃあアスランの用事ってなんだろう」









イザークが関係ないのだとしたら、何?


も、もしかして上の女性と密会とか!!?











「ア、アスラーン!!」








廊下でアスランの名前を叫んだけど、返事が返ってくる筈もなく。


あたしの疑いは確信に近くなっていった(またか!)





「え・・・やだ・・アスラン・・・あたしに飽きちゃったの・・・!?」






あたしは散々勝手な妄想をしときながら、涙目でそう呟いた。










「・・・アスラン・・・・・・」









あたしの彼を呼ぶ声は虚しく廊下に響く。

その反響が、余計に哀しく思えてきて。







・・・?」






そうあたしの名前を呼ぶ彼の声にさえ気がつかなかった。






廊下で立ちすくんでいたあたしの肩を、誰かがぐいっと寄せる。

そしてあたしは必然的にその人物の方を向く事になる。





!?」

「え・・・あ・・アスラン・・!?どうして此処に・・」

こそ、なんで泣いてるんだ!?」

「あ、こ、此れは・・・」




好きな人に自分の泣いてる姿を見られたという恥ずかしさで、あたしの顔は一気に赤くなった。


涙をぐいっと拭うと、あたしは彼に笑顔を作ってみせる。




「べ、別になんでもないよ?」

「・・・そう。だったらいいけど・・・」





本当はなんでもなくない。

聞きたい。
『アスランは何の用事だったの?』って。

だけど、あたしにはそんな事を聞く勇気なんてないんだ。



聞いたら、自分が傷つくかもしれないから。





「ま、まぁ強いて言うならイザークに怒られたってぐらいかな!」




確かに、あれはきつかった。


怒鳴るだけならまだしも、正座までさせるなんて・・・。
イザーク、お前はいったいいつの時代の人間なんだ。


横で一緒に正座させられていたディアッカもすごい死にそうな顔をしてたな。

軽く30分は超えてただろう(死)




「イザークか・・・。、またなにかしたのか?」

「え!?べ、別にあたしはイザークを怒らすような事なんてこれっぽっちも言った憶えはないんですけどね!」




嘘。


い、言えない。
そんなの言えるわけないじゃん。



アスランとイザークはホモなんじゃないかと疑ってた事がバレて怒られてたなんて・・・!!

しかも、仮にも片方はあたしの彼氏だ!




それより『イザークに怒られた』って言っただけで、あたしが何かイザークに余計な事をしたと
疑いをかけてくるアスランもアスランだよ。酷い!!


あたしも見捨てられたもんだ・・・。




「とにかく、イザークはなんでもかんでも怒りすぎなんだよね」

「ああ、確かに・・・」

「なんで正座までさせられるのか、あたしにはちっとも分からないよ」




あたしは少し頬を膨らませながらアスランと並んで廊下を歩いていった。




そのままアスランの部屋に着き、あたしもその中に入れてもらう。

これはいつもの光景。



だけど、あたしの中にはなにかつっかかりがあった。







それは、やっぱりアスランの『用事』の事。






「・・・アスランって、ちゃんと好きな人いるよね?」

「・・・は?」




ああ、しまった。
いくらなんでもこんな質問の仕方があるかってんだ。

予想通り、アスランはワケが分からなさそうな顔をしてあたしを見ている。






「え、あ、いや・・その、深い意味はなくて・・・ちゃんとあたしの事好きだよね?って事」

「・・・何言ってるんだよ。俺はちゃんとが好きだよ?」

「うん・・・」





アスランは小さい子供を宥めるかのように、そう言った。


そうだね、あのアスランに限って浮気なんてするワケない。

だけど、それでもやっぱり気になるのが人間のココロというモノである。




「・・・でも、アスランは最近『用事』ばっかりでちっともあたしに付き合ってくれないじゃない・・・」




本音を出してしまったあたしは、アスランのベッドの上で体育座りをしてその膝に顔を埋める。


「・・・今日は、隊長から呼ばれてたんだよ」

「でも、ただの呼び出しの割には長かったよね」



そう言うアスランの顔は少し焦っているように見えた。

やっぱりあたしには言えない隠し事でもしてるのか?



「それに、今回が初めてじゃないじゃん。アスランはそう何度も
隊長に呼び出しを喰らうほど悪い事なんてしてないでしょ?」

「・・・

「なに」

「それは、俺を疑ってるのか?」




アスランの顔が険しくなったように思えた。

まずい。アスランを怒らせたかもしれない。



こういう場合、なんて言えばいいんだろう。

考えるよりも先に、口が動いた。




「・・・疑ってるよ」




アスランの顔が更に険しくなっていった。

更に、あたしは続ける。




「アスランはなにも言ってくれない。だからあたしは、アスランには隠し事があるのかなって思ってる」



あたしの中では隠し事=浮気だけれど、アスランの中ではどうかは知らない。

とにかく、あたしはアスランの言葉を待った。




「・・・・ごめん」



アスランが謝った事に、驚いた。
と同時に、やっぱり隠し事をしてたんだ、と少しショックも受けた。




「・・でも、さっきは本当に隊長からの呼び出しだったんだ」

「え・・・隊長と浮気してたの?」

「え?」

「あ、ごめん・・・なんでもない」



アスランもあたしも言葉を切ったので、部屋には沈黙が流れた。



「浮気・・・してたの?」

「う、浮気なんてしてない!!俺はただ・・・」

「・・・でも、廊下の角でアスランとが話してるのを見た人がいるよ?」

「あ、あれは・・・」



というのは、あたしと同様に赤を着る珍しいGの女性パイロットだ。


赤を着るだけあって、実力も確か。あのイザークでさえ認めている。
容姿も端麗で、この艦の男どもで彼女に憧れてる人も少なくはない。

ちなみに、あたしは彼女とそれなりに親しかったりする。


だから、余計にムカついた。




「・・・の好みが、よく分からなかったんだよ」

「・・・は?」



なんか、全然違う事を言われた気がした。

都合が悪くなったもんだから、話題でも逸らしやがったのか?
と思った。



「・・・それとがどういう関係なの?」



今のあたしの姿は、まるで主人の浮気を問いただす妻のようにも見えると思う。
きっとディアッカあたりが見たらビビりそうな光景だ。



・・・誕生日、あと二週間後だろ?」

「え?あ・・・そうだったっけ。忘れてた」



やっべぇマジで自分の生まれた日を忘れてた。

それを聞いて呆れているのが、アスラン。



「・・・ハロを」

「え?ハロ?」


素っ頓狂な声で返すあたしからアスランは目を逸らし、顔を赤くした。
そしてあたしは迂闊にも、可愛いと思ってしまった。









にハロをプレゼントしようと、思って・・・・・」







完全にあたしから視線を逸らして、そう言った。

うう、可愛いぜこんちくしょう。流石あたしの彼氏だ。




「え・・・・マジっすか」

「ああ」



あのアスランがまだ顔を赤くしている。

それに対し、あたしはなんて醜い事を考えてたんだ!
と自己嫌悪に陥っていると、アスランは言葉を続けた。



「それで、どんな色やデザインにしようかなと思って・・・にあげるやつ、その辺に
ゴロゴロしてるのと同じだったら悪いだろ」




アスランがそう言ったので、あたしは床にゴロゴロと転がっているハロ達を見た。


ああ、なるほど。
それでに話を聞いてたってワケか。

そして今までの『用事』というヤツは、あたしの趣味を調べてたって事?



「そんな・・・アスランがそこまで考えてくれてたなんて・・・」

「ごめん、。黙ってて・・・今まで不安にさせてて」



アスランが謝る事ないのに。

むしろ謝るのはあたしの方だ。




なんだか今までイザークやディアッカにぎゃあぎゃあ言ってたのが馬鹿らしく思えてきた。



「アスラン・・・ごめん。疑ったりして・・・」



こんなに真剣に考えてくれているアスランを疑った事に、罪悪感を感じた。

ああ、あたしはなんて馬鹿なんだ。
馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。





「ごめん、あたしってこういうヤツだよ。考え直すなら今・・・」





途中で、言葉を切った。

と言うより、切らざるを得なかった。



自分の口に生暖かい感触が広がったかと思うと、それを割ってアスランの舌が入ってきて。

喋るどころか、肺に酸素を送る事も許されないような状況だった。




「ん・・・・・・ぁ、はぁっ・・・・」




そこで、やっと自分はキスをされてるのだと理解した。





「アス・・・・ラ、ン・・・」

「っ・・・・」



あたしは、アスランからこんな激しいキスをされたのが初めてだから、正直かなり吃驚していた。




「なにを考え直すって?」

「・・・あたしに幻滅したでしょ?だから、考え直すなら今って・・・」

「俺には考え直す事なんてないよ」



そう言って、アスランはまたあたしにキスをした。



やっぱり、アスランが浮気なんてありえない。

少しでも疑った事が、彼を汚してしまった気がする。



ごめん。
でもそれも、愛故なのです。




そう思ったあたしは、やっぱりアスランにベタ惚れしてるのだと実感した。































+++++++++++++++++++++++++++++++
あとがき(言い訳)

・・・なんか本気で無駄に長くて読む気が失せてきますね。
初、アスラン夢にしてアスランは後半からしか出てこないとか・・・。
前半だけだったらディアッカ夢と言っても嘘にはなりそうにないです。笑
そしての妄想・アスイザ。
あれは管理人自身の趣味です。苦手な方はごめんなさい・・!
そしてこのヒロインは腐女子なのか。爆














ブラウザバック推奨